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AVメーカーの役割

01AVメーカーの役割

AVメーカーは、「アダルトビデオメーカー」「アダルトメーカー」とも呼ばれます。いずれもアダルトビデオを制作して、生産する会社を指します。アダルトビデオは成人向けビデオやAVのことを指します。そもそもアダルトビデオは日本独自の呼び方で、海外では「ポルノ映画」や「ポルノグラフィ」とも呼ばれます。

現在AVメーカーは配信専門のメーカーを含み、東京を中心に全国300社ほどあると言われています。

AVメーカーの中には自分たちで作品を作るだけではなくて、制作した作品を販売・流通、インターネットなどで配信をしているところもあります。

AV女優(セクシー女優)はAV事務所に所属しているので、AVメーカーには所属していません。AVメーカーが作品を制作するときには、AV事務所にお願い(オファー)をして、その作品のイメージや役柄に合った女優さんを起用(キャスティング)するのです。

アダルトビデオと審査の関係

02アダルトビデオと審査の関係

AVメーカーが作品を作ったからといって、それらがすぐに販売され、世に出回ることはありません。販売する前に「審査」が必要になるのです。

現在、ほとんどのAVメーカーは下記の倫理審査団体に所属しています。

  • 日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)
  • コンピューターソフトウェア倫理機構(ソフ倫)
  • 日本映像ソフト制作・販売倫理機構(制販倫)
  • ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合(VSIC)

これらの倫理審査団体とはAVメーカーが作ったアダルトビデオの中身を観て、内容やモザイクの濃さなどが適切か審査をする団体のことです。審査団体に属さないインディーズ系のメーカーは自主規制のもとに審査をします。

ここで審査を受けて合格したものがはじめてアダルトビデオという商品になります。これらはすべてモザイク処理を行なって販売しているものです。いわゆるモザイイクのない無修正のコンテンツを販売しているところは、AVメーカーとは呼ばないので注意が必要です。AVメーカーとは審査に通過した合法な商品のみを制作、販売、流通する会社を指すからです。またAV事務所も上記のような審査団体に加盟しているAVメーカーとしか取引をすることはできない決まりになっています。

AVメーカーの起源は「エロ本」を作る人たち

03AVメーカーの起源は
「エロ本」を作る人たち

アダルトビデオを記録する媒体もビデオテープ(VHS)→DVD→インターネット動画配信 と時代ごとに変化しています。

かつてアダルトビデオは「ポルノ」「ピンク映画」とも呼ばれていました。1962年に公開された『肉体の市場』(1962年)は、ピンク映画第1号作品とも言われています。しかしその作品はわいせつだと警察に判断され、公開するや否や上映禁止となってしまった、という歴史もあります。ポルノ映画は厳しい規制もある中で、日本では独自の進化を遂げていったのです。

さらに80年代になると「ビニール本」と言われるエロ本がヒットし、たくさんのビニ本が出版されました。さらにビデオデッキが多くの家庭に広まるようになりました。そしてビニ本を手がけていた業者たちも新たな事業として、アダルトビデオ制作に乗り出しました。アダルトメーカーの起源はエロ本を作る人たちだったのです。

日本初のアダルトビデオは1981年の『OLワレメ白書・熟した秘園』と『ビニ本の女・秘奥覗き』の2本と言われています。

そもそも80年当時ビデオデッキは1台20万~30万円と高額なものでした。そのために街の電気屋さんがプロモーション用として、ビデオデッキを買った人にオマケとしてアダルトビデオをつけたこともあったそうです。これによって急激にビデオデッキが普及したのです。

AVメーカーのそれぞれの役割

04AVメーカーのそれぞれの役割

アダルトビデオメーカーがアダルトビデオを制作するさいには2つの方法があります。会社の中で社員が監督やスタッフとなって制作するケース。もうひとつはメーカーが社外の制作会社にお願いをして撮影をして、作品を制作するケースです。

どんな内容の作品を作るのか、知恵を絞って考えるのがプロデューサーの役割です。これまでにヒットした女優さんや売れ筋作品の傾向、あらゆるデータをもとに企画会議などを経て、プロデューサーが制作する作品を決定します。どんな女優さんを起用しようか決めるものプロデューサーです。その中で特に売れた作品はシリーズ化され、長い間ファンを楽しませているものも多くあります。

そしてプロデューサーが「この女優さんで、こんな作品を作ろう」と決めた指示のもとに、現場で指示をするのがディレクター(監督)です。ディレクターはシナリオを考えたり、役者に演技の指導をしたり、演出や撮影を手がけます。ときにディレクターが編集作業まで請け負うこともあります。

これらがひとつの会社で行われていることもありますし、別々の会社で役割を分担しながら行われていることもあるのです。

またアダルトビデオメーカーと一口でいってもさまざまなジャンルやイメージ、カラーがあります。

美少女を専門にしているメーカー、熟女作品で知られるメーカー、SMが得意なメーカー、フェチ・マニアックな作品を多く扱うメーカーなどそれぞれの個性を生かして作品をリリースしているのです。

もちろん一つのメーカーでさまざまなジャンルを網羅するところもありますし、ひとつのジャンルに特化したメーカーもあります。

多種多様なジャンルを時代や見る人のニーズに合わせて制作して、合法的に販売・流通を手がけているのがAVメーカーなのです。

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